ブログをご覧の皆様こんにちは。
愛知県豊橋市の靴修理RADIANです。
今回は、非常に珍しいCONVERSE × Gibson(コンバース×ギブソン)のハイカットスニーカーに行った、ソールカスタムをご紹介します。
ギターで知られるGibsonのロゴと、ギターのヘッドを思わせる大きな刺繍が入った、存在感のあるレザー製コンバースです。
中古市場などでは、世界限定1,000足の非売品モデルとして紹介されており、未使用品には10万円を超える価格が付けられていることもあります。
それほど貴重なモデルであれば、本来はオリジナルの状態を残した方がよいのではないか。
そう考える方も多いと思います。
ただ、今回ご依頼いただいた一足は、靴底だけでなく、靴の内部やアッパーにもかなり傷みが進んでおり、このままでは今後履き続けることが難しい状態でした。
そこで今回は、貴重なアッパーを生かしながら、これからも実際に履き続けられる靴へ作り直すことを目的に、ソールだけでなく靴の内部や破れた部分も含めて修理しています。
コンバース×ギブソンの限定モデル
今回お預かりしたのは、CONVERSEのハイカットモデルに、アメリカのギターブランドGibsonのデザインを取り入れた一足です。
黒いレザーアッパーの側面には、Gibsonのロゴとギターのヘッドをモチーフにしたような大きな刺繍が入っています。
一般的なキャンバス製のオールスターとは異なり、アッパー全体にレザーを使った重厚感のあるデザインです。
中古市場やコレクターの間では、USA製の希少なモデルで、世界限定1,000足の非売品だったと紹介されています。
当時の公式資料を確認できなかったため詳細を断定することはできませんが、市場に出てくること自体が少なく、現在では未使用品に10万円を超える価格が付けられていることもあるようです。
コレクションとして保管したくなる気持ちも分かる、かなり珍しいコンバースです。
カスタム前|ソール全体に剥がれと劣化が発生

まずはカスタム前の状態から見ていきます。
かかと周辺では、ソールを構成するゴムやテープが劣化し、一部が剥がれていました。
古いコンバースでは、長年の使用や保管によってゴムが硬くなったり、接着剤が劣化したりすることがあります。
見た目には形が残っていても、素材そのものが弱くなっている場合、剥がれた部分だけを接着しても、別の場所から再び剥がれてしまう可能性があります。

横から見ると、ソールとアッパーの間が広い範囲で開いているのが分かります。
ここまで剥がれが進んでいると、部分的な再接着だけで今後も安心して履ける状態にするのは難しくなります。

外側のゴムだけでなく、ソールを支える内部にも傷みが進んでいました。
そのため今回は、古いソールを取り外して新しいソールを貼るだけではなく、靴の土台となる部分から作り直しています。
靴の中もかなり傷んでいました

今回の靴は、靴底だけでなく内部の傷みもかなり進んでいました。
写真の指先付近をよく見ると、かかと部分に小さな光が見えます。
これは、かかとの内側から外側まで穴が開いているためです。
また、足が直接乗るインソール部分や、その下にある靴の土台も傷んでいました。
ソールだけを新しくしても、足を支える内部が傷んだままでは、今後長く履ける靴にはなりません。
そこで今回は、傷んだインソール部分を取り外し、革製の中底へ交換しています。
貴重な限定モデルをカスタムした理由
希少なスニーカーをカスタムすると、オリジナルの状態ではなくなります。
特に今回のような限定モデルの場合、コレクションとしての価値を考えれば、手を加えずに保管するという選択肢もあります。
ただ、今回ご相談いただいた時点では、ソールの剥がれ、中底の傷み、かかとの穴、アッパーの破れなど、靴のあちこちに問題が発生していました。
このまま保管するのであれば、無理にカスタムする必要はなかったかもしれません。
しかし、オーナー様のご希望は、飾って残すことではなく、これからも実際に履き続けることでした。
貴重なモデルであることは十分承知したうえで、今後も長く愛用するための修理として、靴全体を作り直すことになりました。
靴はオリジナルの状態を残すことだけが、必ずしも正解とは限りません。
履けない状態のまま下駄箱に置いておくのか、必要な修理を行って再び履くのか。
今回は、後者を選んだカスタムです。
ソール以外の細かな仕様はお任せいただきました
今回のカスタムでは、細かな修理方法や全体の仕様について、概ねお任せいただきました。
お客様から具体的にご指定いただいたのは、使用するソールです。
過去にRADIANで施工したコンバースのカスタム写真を添付していただき、
「このような雰囲気にしてほしい」
とのご希望をいただきました。
その写真で使用していたのが、Dr.Soleのオフホワイトコルクソールです。
ソール以外については、靴の状態やデザインとのバランスを見ながら、必要な補修方法や材料を選んでいます。
Dr.Soleのオフホワイトコルクソール
今回使用したのは、Dr.Soleのコルクフルソールです。
細かなコルクを混ぜたニトリル系の素材で作られており、メーカーでは耐摩耗性と耐油性を備えたソールとして案内されています。
オフホワイトの素材の中に細かなコルクの粒が見えるため、一般的な真っ白なラバーソールとは少し違った、ヴィンテージ感のある表情があります。
黒いレザーアッパーとのコントラストも強く、スニーカーらしさを残しながら、ワークブーツのような重厚感を加えられるソールです。
今回はレザーミッドソールと組み合わせ、ソールを縫い付ける構造で仕上げています。
傷んだ中底を革製の中底へ交換
中底とは、靴の中で足が乗る土台となる部分です。
完成後にはほとんど見えない部分ですが、靴の形や履き心地を支える重要な役割があります。
今回の靴は内部の傷みが大きかったため、元の中底をそのまま利用するのではなく、革製の中底へ交換しました。
しっかりとした革の土台を作り、その下へレザーミッドソールとアウトソールを取り付けています。
表面だけをきれいにするのではなく、見えない内部から作り直すことで、今後も実際に履くための強度を確保しています。
アッパーの破れも革パッチで補強
アッパーにも、破れや革が弱くなっている部分が複数ありました。
ソールだけを新しくしても、アッパーの弱い部分へ力が掛かれば、そこからさらに破れが広がる可能性があります。
そのため、必要な箇所には革パッチを取り付け、縫い付けて補強しました。
古いレザー製スニーカーは、新しい革と同じ強度が残っているとは限りません。
見た目だけではなく、今後負担が掛かる場所を確認しながら、必要な範囲へ補強を行っています。
カスタム後|ブーツのような重厚感のある仕上がり

完成した状態がこちらです。
黒いレザーアッパーに、オフホワイトのコルクソールを組み合わせました。
もともとのコンバースらしい白底の雰囲気を残しながら、ソールに厚みを持たせることで、ワークブーツのような存在感のある仕上がりになっています。

今回のモデルは、アッパーそのものにかなり存在感があります。
そのため、通常の薄いスニーカーソールではなく、レザーミッドソールを加えた厚みのある仕様でも、全体のバランスが崩れません。
むしろ、レザーアッパーの重厚感をより生かせるデザインになったと思います。

つま先周辺も補強し、新しいソールを取り付けられる形へ整えています。
オリジナルとは異なる構造になりましたが、コンバースらしいつま先の丸みや、スニーカーとしての雰囲気は残しています。

レザーミッドソールと白いステッチ

アッパーの下には、革製のミッドソールを取り付けています。
ミッドソールとは、靴本体と地面に接するアウトソールの間に入る中間層のことです。
ソールを取り付ける土台となり、靴底全体の厚みや強度、見た目にも影響します。
今回はレザーミッドソールに白い糸で出し縫いを行い、Dr.Soleのオフホワイトカラーや、アッパーに入った白い刺繍とのつながりを持たせました。
修理のために必要な構造ですが、白いステッチがデザイン上のアクセントにもなっています。

底面まで存在感のあるコルクソール

底面には、Dr.Soleのコルクフルソールを使用しています。
オフホワイトのソールに細かなコルクが混ざり、ヴィンテージスニーカーにもなじみやすい表情です。
かかと部分にはヒールを取り付け、釘を使って固定しています。
一般的なコンバースのフラットなソールとは異なり、少しヒールのあるブーツに近い形へ変更しています。
カスタムすると何が変わる?
傷んだ靴の土台から作り直せる
今回のカスタムでは、劣化したソールだけでなく、傷んでいた中底や内部も含めて作り直しています。
外から見える部分だけを補修するのではなく、足を支える土台から整えることで、再び実際に履ける状態を目指しました。
ソールを縫い付けることで固定力を高められる
元のコンバースは、主に接着によってソールを取り付けた構造です。
今回はレザーミッドソールを設け、ソールを縫い付ける仕様へ変更しています。
接着だけに頼らず、糸でも固定する構造にすることで、新しいソールをしっかり取り付けています。
今後の再修理も検討しやすくなる
今後アウトソールが摩耗した場合も、靴本体やミッドソールの状態に問題がなければ、再びソール交換を検討できる構造です。
一度修理して終わりではなく、これからも履きながら手を入れていくことを考えたカスタムです。
見た目の印象が大きく変わる
ソールに厚みが加わり、ヒールのある形になったため、オリジナルと比べて足元の印象は大きく変わります。
軽快なスニーカーというよりも、レザースニーカーとワークブーツの中間のような雰囲気です。
厚みと重量は増加します
レザー製の中底やミッドソール、コルクフルソールを使用するため、オリジナルのコンバースよりも靴底の厚みと重量は増加します。
軽いスニーカーの履き心地をそのまま残すカスタムではありません。
その代わり、靴底の安定感や強度、見た目の存在感を重視した仕様になっています。
オリジナルの状態には戻せません
古いソールや中底を取り外し、新しい構造へ作り替えているため、施工後に元の状態へ戻すことはできません。
特に限定品やヴィンテージスニーカーの場合は、オリジナルの状態を残すのか、今後も履ける状態へ作り直すのかを考えたうえで、修理方法を選ぶ必要があります。
今回の修理・カスタム内容
- 靴:CONVERSE × Gibson ハイカット
- 修理前の状態:ソールの剥がれ・劣化、中底の傷み、かかと内部の穴、アッパーの破れ
- 中底:傷んだ中底を革製の中底へ交換
- アッパー:破れた部分を革パッチなどで補強
- ミッドソール:レザーミッドソール
- アウトソール:Dr.Sole オフホワイトコルクフルソール
- 仕様:ブラックラピド製法。ソールを縫い付けて固定
- 料金:3~4万円あたりが費用の目安
- 納期:2〜3ヶ月が目安。使用する材料や修理内容により異なります
今回のように靴底だけでなく、中底やアッパーにも修理が必要な場合は、靴の状態によって加工内容や料金が大きく変わります。
同様のカスタムをご希望の場合は、靴全体と傷んでいる部分の写真をお送りください。
貴重な靴を、これからも履き続けるために
限定モデルやヴィンテージスニーカーは、オリジナルの状態に価値があることも事実です。
今回のコンバース×ギブソンも、状態の良いものであれば、無理にカスタムする必要はないと思います。
ただ、今回お預かりした靴は、ソール、中底、かかとの内部、アッパーまで、広い範囲に傷みが進んでいました。
オリジナルの状態を守ることを優先すれば、そのまま保管するしかなかったかもしれません。
しかし、オーナー様は、これからもこの靴を履くことを選ばれました。
そこで、傷んだ部分を無理に隠すのではなく、必要な補修を行い、ソールの構造も含めて新しく作り直しています。
新品の状態へ戻す修理ではありません。
これまで履かれてきた跡を残しながら、これから先も使える靴へつなげるための修理です。
古いコンバースのソール剥がれ、ヴィンテージスニーカーのオールソール、中底交換、アッパーの破れ補修なども、お気軽に靴修理RADIANまでご相談ください。
修理事例やカスタムの様子は、Instagram・YouTubeでも発信しています。
Instagram:@radian572958
YouTube:靴修理RADIAN
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