新品に近いチャーチを長く履くために|革底のハーフラバー・トゥスチール補強

そのままでも、まだ十分に履ける。

それでも、大切な靴だからこそ、革底が大きく減る前に補強しておきたい。

今回お持ち込みいただいたチャーチのシングルモンクは、壊れた靴を直す修理ではありません。新品もしくは、まだ履きこんでいない新品に近い状態の革靴の靴底を守り、できるだけ長く履くための事前補強です。

お客様のご指定で、前側にハーフラバー、減りやすいつま先にトゥスチールを取り付けました。

費用はハーフラバーが5,000円+消費税、トゥスチールが5,000円+消費税。合計10,000円+消費税で、納期は約1週間でした。

革底補強前のチャーチの黒いシングルモンクシューズ
補強前のチャーチのシングルモンク。アッパーも靴底も、まだ新しい状態です。
目次

故障していなくても、靴修理店へ持ち込む理由

靴修理店は、壊れた靴だけを持ち込む場所ではありません。

今回のお客様が気にされていたのは、革底がこれから削れていくことでした。特につま先は歩き方によって減りが早く出やすく、履き始めの段階で削れることもあります。

革底は、履けば少しずつ摩耗します。それ自体は故障ではありません。

ただし、減ってから革を継ぎ足して直すより、状態のよい段階でラバーや金属を取り付け、元の革底を残すという考え方もあります。

補強前のチャーチのシングルモンクを斜めから見た状態
まだ修理が必要なほど履き込まれてはいません。今回は傷みへの対処ではなく、今後の摩耗に備えた補強です。

革底の状態を確認してから補強内容を決める

補強前の靴底は、つま先からかかとまで革で作られたレザーソールです。

大きく削れた部分はなく、オールソール交換を検討するような状態ではありません。

今回は元の革底を活かしながら、地面に接する前側へハーフラバーを貼り、つま先へトゥスチールを取り付けます。

ハーフラバーとトゥスチールを取り付ける前のチャーチの革底
補強前の革底。大きな摩耗や故障はなく、元のソールをそのまま活かせる状態でした。
補強前のチャーチの革底とつま先部分
補強前のつま先周辺。この状態から摩耗対策を行います。
トゥスチール取り付け前のチャーチの革底つま先
革底のつま先部分。これから削れやすい箇所へ、トゥスチールを取り付けます。

ハーフラバーとトゥスチールを併用する理由

ハーフラバーは、革底の前半分を覆う補強です。

歩行時に地面へ接する範囲をラバーで保護し、革底が直接削れるのを抑えます。革底に比べて、雨上がりの路面や滑りやすい床でグリップを得やすくなることも利点です。

一方、トゥスチールはつま先へ取り付ける金属製の補強です。

ハーフラバーを貼っても、歩き方によってはつま先だけが先に削れる場合があります。今回は両方を併用し、前底全体とつま先をそれぞれ保護しました。

ハーフラバーとトゥスチールを取り付けたチャーチの靴底
完成後の靴底。前側にハーフラバーを貼り、つま先にはトゥスチールを取り付けました。
ハーフラバー補強後のチャーチのつま先とコバ
ハーフラバー取り付け後のつま先周辺。側面から見たときに厚みが目立ちすぎないよう仕上げています。

補強すると、見た目と履き心地はどう変わるか

ハーフラバーを取り付けると、革底だけの状態よりも前底にわずかな厚みが加わります。

今回は黒い靴と黒いソールに合わせているため、立った状態で横から見た印象は大きく変わりません。

履き始めは、革底だけの状態と比べて前側にラバーの感触があります。また、トゥスチールが硬い床に接すると、金属特有の音や硬さを感じることがあります。

革底本来の見た目や、地面との柔らかな接地感をそのまま楽しみたい方にとっては、補強しないことも選択肢です。

一方で、革底の摩耗を抑えたい方や、つま先の減りを気にせず履きたい方には、ハーフラバーとトゥスチールの併用が向いています。

革底補強後のチャーチのシングルモンクを正面から見た状態
補強後を正面から見た状態。履いているときの外観を大きく変えず、靴底を保護しています。

新品のうちに補強するか、履いてから直すか

革底の靴は、必ず新品のうちに補強しなければならないわけではありません。

まずは革底の感触を楽しみ、減ってきてから補修する履き方もあります。

反対に、大切な靴の革底をなるべく削りたくない場合や、つま先の摩耗が気になる場合は、今回のように状態のよいうちから補強できます。

どちらが正解ということではなく、革底そのものを楽しみたいのか、元のソールをできるだけ保護したいのかによって選び方が変わります。

ハーフラバーとトゥスチール補強後のチャーチのシングルモンク側面
補強完成後の全体。黒い仕上げでまとめたため、横から見ても靴の雰囲気を大きく損ないません。

費用と納期の目安

今回の修理費用は、ハーフラバーが5,000円+消費税、トゥスチールが5,000円+消費税です。

両方を施工した場合の合計は、10,000円+消費税となります。

納期は約1週間いただきました。

靴底の形状や摩耗状態、取り付ける資材によって、実際の費用や納期が変わる場合があります。

今回のようにまだ新しい靴でも、「傷んでから直す」のではなく、「大切に履くために先に守る」というご相談ができます。

修理事例やカスタムの様子は、Instagram・YouTubeでも発信しています。
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