ブログをご覧の皆様こんにちは。
愛知県豊橋市の靴修理RADIANです。
今回は靴修理の事例ではなく、革靴に起こる「革の表面の色が抜ける・剥げる症状」についてご紹介します。

今回の靴は、REGAL(リーガル)のビジネスシューズ。
アッパーにはガラスレザーと呼ばれる革が使われています。
写真を見ると、つま先や踵を中心に濃いブラウンの表面が摩耗し、その下から明るい色が見えています。
「革の色が抜けたの?」
「クリームを塗れば戻る?」
「そもそも、なぜこんな状態になるの?」
今回は、ガラスレザーとはどんな革なのか、一般的なスムースレザーとの違い、そしてこのような症状が起こる理由や補修について解説していきます。
そもそもガラスレザーとは?
ガラスレザーは、革の表面を研磨して整えたあと、顔料や合成樹脂などで表面を仕上げた革です。
「ガラス」という名前から、表面にガラスのような素材を貼っていると思われることがありますが、そうではありません。
昔、革を乾燥させる際にガラス板へ貼り付けて平らに伸ばしたことから「ガラス張り革」と呼ばれるようになりました。
乾燥後に革の表面をバフィング(研磨)して整え、その上に塗料や樹脂を使って均一な表面を作ります。
英語ではCorrected Grain Leather
ガラスレザーは、英語ではCorrected Grain Leather(コレクテッドグレインレザー)と呼ばれることがあります。
革本来の銀面をそのまま活かすというより、表面を研磨して傷やムラを整え、その上から仕上げを施すことで、見た目を均一にした革です。
そのため、革靴ではツヤのある均一な見た目を出しやすく、ビジネスシューズにもよく使われています。
一般的なスムースレザーとの違い
ガラスレザーと一般的なスムースレザーの大きな違いは、革の表面をどのように仕上げているかです。
スムースレザー
一般的なスムースレザーは、革本来の表面である銀面の質感を活かして仕上げられています。
革の毛穴や表情が比較的残っており、クリームの油分や水分が革へ馴染みやすいのも特徴です。
履き込むことで艶が増したり、色に深みが出たりと、革らしい経年変化を楽しみやすい素材です。
ガラスレザー
一方のガラスレザーは、革の表面を研磨したうえで、顔料や樹脂による仕上げ膜を作っています。
そのため表面が均一で、最初から強い光沢があり、傷や色ムラも目立ちにくいのが特徴です。
ただし、革そのものの表情というより表面の仕上げによって見た目を作っている部分が大きいため、その仕上げ膜が傷んだ場合には、スムースレザーとは違った症状が出ることがあります。
写真のように色が抜ける原因は?

今回の靴に起きている症状は、単純に「革の中の染料が抜けた」というより、表面に作られた着色・仕上げ膜が摩耗している状態と考えると分かりやすいです。
ガラスレザーでは、革の表面に顔料や樹脂を含む塗膜があります。
靴を履くと、その表面には歩行による屈曲、パンツとの擦れ、椅子や車への接触、つま先をぶつけることなど、さまざまな摩擦が加わります。
長く使い続けることで、この表面仕上げが少しずつ摩耗し、下の革が露出してくることがあります。
つま先や踵に症状が出やすい理由

今回の靴を見ると、特につま先と踵周辺で症状が強く出ています。
これは、どちらも日常的に擦れや接触が起きやすい部分だからです。
つま先は歩行中に物へぶつけたり、階段や机などへ擦ったりしやすい場所。
踵もパンツの裾や反対側の靴、椅子などと接触しやすいため、長期間履き続けると表面仕上げへのダメージが蓄積します。
この症状は避けられない?
結論から言えば、必ずこの状態になるわけではありませんが、ガラスレザーの構造上、長期間の使用によって起こる可能性はあります。
ガラスレザーの表面仕上げも永久に残るものではありません。
特に同じ場所へ繰り返し摩擦が加われば、長い時間をかけて少しずつ摩耗していきます。
また、靴のサイズが合っておらず深い履き皺が繰り返し入る場合や、日常的に強く擦れる環境で使用している場合は、表面の傷みが早く進むこともあります。
そのため「手入れをしていれば絶対に起こらない」とまでは言えません。
革靴そのものが消耗品である以上、表面仕上げも使い方や年月によって変化していくものと考えた方が良いでしょう。
ガラスレザーにもメリットはたくさんあります
ここまで読むと、ガラスレザーはデメリットの多い革のように感じるかもしれません。
しかし、ガラスレザーにはビジネスシューズとの相性が良いメリットもたくさんあります。
最初からツヤがあり見た目がきれい
ガラスレザーは表面を均一に仕上げているため、購入した時点から光沢感があります。
革の色ムラや細かな傷が目立ちにくく、カチッとしたビジネススタイルにも合わせやすい素材です。
雨や汚れに比較的強い
表面に塗膜があることで、水分や汚れが革へ直接染み込みにくいのもメリットです。
もちろん完全防水ではありませんが、革本来の表面を活かした革に比べると、日常使いで扱いやすい傾向があります。
見た目の個体差が少ない
天然皮革は本来、一枚一枚に傷やシワ、色ムラがあります。
ガラスレザーは表面を整えて仕上げるため、比較的均一な見た目にしやすいのが特徴です。
きれいな状態のビジネスシューズを気軽に履きたい方にとっては、大きなメリットです。
ガラスレザーのデメリット
- 表面の塗膜が摩耗すると色抜けのように見えることがある
- スムースレザーのような自然な経年変化は出にくい
- クリームが革内部へ浸透しにくい場合がある
- 表面が大きく傷むと、通常の靴クリームだけでは補修しにくい
一方で、ツヤが出やすい、汚れに強い、均一な見た目を保ちやすいといったメリットもあります。
「良い革・悪い革」という話ではなく、何を優先するかによって向き不向きが変わる革と考えるのが良いと思います。
色が剥げたガラスレザーは修理できる?
残念ながらガラスレザーの色が剥げた状態は基本的には修理できません。
一般的なレザー(スムースレザー)と違ってガラスレザーは、表面の樹脂加工などが邪魔して傷補色用の塗料や補色クリームなどが塗布できないことが原因です
ただし軽い症状(初期状態)によっては、当店では実施しておりませんが、革の傷を補修したり革の塗料を塗る専門店などではサンドペーパーなどで傷んだ表面を整え、顔料系の補修材などを使って色と表面を作り直す方法もあるようです。
完全に新品と同じ状態へ戻せるわけではない
ただし、補修すれば必ず新品と同じ状態になるわけではありません。
長年の使用による革のシワや表面の凹凸、広範囲に及ぶ塗膜の摩耗などは残る場合があります。
特にブラウン系の革は、色味や濃淡を周囲と自然につなげる必要があるため、補修後の仕上がりには靴の状態によって差があります。
「完全に元通り」というより、傷んだ部分を目立ちにくくし、また履ける状態へ整えるというイメージが近いです。
「素材を知る」ことも靴を長く履くポイント
今回のような症状を見ると、つい「革が悪かったのかな?」と思ってしまうかもしれません。
しかしガラスレザーには、表面が均一でツヤがある、汚れに比較的強い、扱いやすいといったメリットがあります。
一方で、長く履き込んだ際には表面の仕上げ膜が摩耗し、今回のような色抜けが目立つこともあります。
素材の特徴を知っておくことで、
- なぜこの症状が出たのか
- どこまでお手入れで対応できるのか
- いつ修理店へ相談した方が良いのか
という判断もしやすくなります。
革靴の色剥げ・キズ補修も靴修理RADIANへ
今回は、REGALのビジネスシューズに起きたガラスレザーの色抜けについてご紹介しました。
写真のような状態は、革自体の色が突然消えてしまったというより、長年の摩擦によって表面の仕上げが摩耗した結果です。
革の種類や傷み方によって、お手入れで改善できるもの、補色が必要なもの、専門的な補修が必要なものがあります。
「この傷は直る?」
「クリームで対応できる?」
「補色するとどのくらいきれいになる?」
気になる症状がありましたら、お気軽に靴修理RADIANまでご相談ください。
修理事例や靴のお手入れについては、Instagram・YouTubeでも発信しています。
Instagram:@radian572958
YouTube:靴修理RADIAN
RADIAN豊橋の宅配靴修理
まずは写真を送るだけ
靴の知識がなくてもOK。「これって直りますか?」からで大丈夫です。
愛知県豊橋市の店ですが、全国から宅配で修理をお受けしています。
お近くにお住まいの方は予約不要でお気軽にご来店ください。
LINEで写真を送る
気になる箇所を撮るだけ
概算見積りが届く
職人が診断してご返信
発送 or 店頭へ
全国どこからでも対応
費用や納期の目安は為替や資材価格の変動にあわせて随時変更させて頂いております。
最新の費用や納期は店頭までお問い合わせください。
お問い合わせ先
靴修理RADIAN豊橋
〒440-0893 愛知県豊橋市札木町106-1
Mail : info@radian-mail.com
Tel : 0532-52-2868
定休日 : 水曜と木曜日
営業時間 : 10:00 – 17:00
その他年末年始など臨時のお休みがある場合あります。ホームページなどで営業日ご確認の上ご来店ください

