前側のタンクソールは、すでに形を保てないほど崩れていました。
今回お預かりしたのは、レッドウィングのベックマンです。モデル番号は不明ですが、前側のソールに加水分解が進み、そのまま使い続けることが難しい状態になっていました。
今回は傷んだ前側だけではなく、かかと部分も含めてソール全体を交換しています。
使用したのは、前側にVibram #2333タンクハーフソール、かかとにVibram #430ヒール。
純正部材を使った修理ではありませんが、できるだけベックマン本来の雰囲気から大きく離れないように仕上げました。


前側だけではなく、かかとまで含めて交換
ベックマンでは、前側のタンクハーフソールだけが加水分解することがあります。
かかとの減りが少なく、ほかの部分もまだ十分に使える状態であれば、前側だけを交換する修理も可能です。
ただ、今回は前側のハーフソールだけを交換するのではなく、かかと部分まで含めてソール全体を交換しました。
前側だけを直す修理と比べると費用は上がりますが、靴底全体を一度見直して仕上げたい場合には、こうした方法があります。
Vibram #2333と#430ヒールで、オリジナルに近い雰囲気へ
前側にはVibram #2333タンクハーフソールを使用しました。
かかとにはVibram #430ヒールを組み合わせています。
今回はカスタム感を強く出すのではなく、できるだけ元のベックマンらしい雰囲気を残す方向で修理しています。
純正とまったく同じ部材を使っているわけではありません。そのため、厳密に純正状態へ戻す修理ではありませんが、交換後に印象が大きく変わりすぎないように仕上げています。


修理後は、見た目も足元もすっきり
修理前は、前側のソールが崩れて凹凸が大きく乱れていました。
交換後はVibram #2333のタンクパターンが揃い、かかとも新しい#430ヒールへ交換しています。
今回のような修理では、見た目だけでなく、傷んだラバーをすべて新しくできることが大きな意味です。
一方で、純正部材ではないため、ソールの硬さや歩行感、見た目の細かな印象はオリジナルとまったく同じにはなりません。
「純正と完全に同じ状態へ戻したい」という場合ではなく、「できるだけ雰囲気を残しながら、現在入手できる資材でしっかり履ける状態に直したい」という方に向く修理です。


ベックマンの加水分解は、状態によって修理範囲を変えます
ベックマンのソールが加水分解した場合でも、毎回ソール全体を交換する必要があるわけではありません。
前側だけが傷んでいて、かかとの減りが少ない場合には、タンクハーフソールだけを交換する方が費用を抑えられます。
反対に、かかとまで含めて靴底全体を整えたい場合や、全体的に履き込んでいる場合には、今回のようにソール全体を交換する方法があります。
修理範囲は、加水分解している場所だけでなく、かかとの減りや靴底全体の状態を見て判断するのがおすすめです。

費用と納期の目安
今回の修理費用の目安は、25,000円+消費税です。
納期の目安は1〜1.5か月ほどです。
靴の状態や追加修理の有無、資材価格の変更などによって、実際の費用や納期が変わる場合があります。
このベックマンの修理工程はYouTubeでも紹介しています
今回のベックマンは、実際に修理している様子をYouTubeでも公開しています。
完成写真だけでは分かりにくい、傷んだソールを取り外してから新しいソールへ交換していく工程もご覧いただけます。
修理事例やカスタムの様子は、Instagram・YouTubeでも発信しています。
Instagram:@radian572958
YouTube:靴修理RADIAN
