レッドウィング8165をVibram#100でカスタム|3mmレザーミッドを選んだ理由

白いクレープソールから、黒いVibram#100ソールへ。

今回のレッドウィング8165は、傷んだ靴底を元通りにする修理ではなく、ソール交換を機に足元の印象そのものを大きく変えたカスタムです。

使用したのはVibram#100ソールと3mmのレザーミッドソール
コバはブラック、出し縫いは白いステッチで仕上げました。

Vibram100カスタム前のレッドウィング8165
カスタム前のレッドウィング8165。白いクレープソールが付いた状態です。
目次

クレープソールからヒール付きのVibram#100へ

8165はプレーントゥのシンプルなアッパーに、白いクレープソールを組み合わせたレッドウィングらしいモデルです。

修理前は、まだクレープソールの形そのものが完全に崩れている状態ではありませんでした。

今回は純正に近い仕様へ戻すのではなく、お客様に店頭の修理サンプルをご覧いただき、3mmレザーミッドソール+Vibram#100の組み合わせを選んでいただきました。

Vibram#100は深い凹凸のあるラグパターンと、独立したヒールを持つソールです。白いクレープソールとは横から見たシルエットも底面の表情も大きく違うため、ソール交換後は同じ8165でもかなり印象が変わります。

レッドウィング8165 クレープソールの修理前側面
修理前はフラットなクレープソール仕様でした。
レッドウィング8165 修理前のかかととクレープソール
かかとにも独立したヒールがない、元のクレープソールのシルエットです。

3mmと5mm、レザーミッドソールは厚いほど良い?

今回のカスタムで少し掘り下げたいのが、レザーミッドソールの厚みです。

RADIANでは通常、3mmと5mmのレザーミッドソールから選んでいただけます。仕様によって6mm程度を使うこともありますが、こちらは例外的です。

店頭で3mmと5mmを見比べていただくと、厚みがあり、より無骨な雰囲気になる5mmを選ばれる方は比較的多いです。

ただ、Vibram#100との組み合わせでは、実は3mmも非常にバランスの良い選択肢だと考えています。

理由のひとつは、Vibram#100自体に約11mmの厚みがあることです。アウトソールだけですでに十分なボリュームがあるため、3mmのレザーミッドソールでも側面から見た存在感はしっかり出ます。

5mmを入れればさらに厚みは増しますが、「Vibram#100らしい無骨さを出す」という目的であれば、必ずしも厚いミッドソールが必要というわけではありません。

3mmにしたもう一つの理由は「縫える厚み」

ここは見た目だけでは分かりにくい、修理する側の事情です。

ブーツのソールを出し縫いする際、RADIANで使用しているRAPID Eミシンでは、ウェルト・レザーミッドソール・アウトソールを合わせて18〜19mm程度が縫製できる限界の厚みの目安になります。

レッドウィングのウェルトはおよそ3〜3.5mm。
Vibram#100はおよそ11mmあります。

そこへ3mmのレザーミッドソールを組み合わせると、全体の厚みはミシンで縫える範囲に収まりやすくなります。

そのため今回は、ウェルトからレザーミッドソールを通り、Vibram#100のアウトソールまで貫通させて出し縫いすることができます。

一方、5mmのレザーミッドソールを使うと合計の厚みがさらに増えるため、同じ方法でVibram#100まで縫い抜くにはかなり厳しくなります。

レザーミッドソールの厚さは見た目だけで決めるものではなく、使用するアウトソールの厚みや、どこまで縫いを通すかといった施工方法との兼ね合いもあります。

重量と屈曲性でも3mmにメリットがあります

もうひとつ、厚くすれば当然その分だけ材料の量が増えます。

Vibram#100はもともとボリュームのあるソールなので、元のクレープソールから交換すると靴底の重量や硬さは変化します。

そこへ5mmのレザーミッドを加えるより、3mmに抑えた方が重量面では有利です。また、革の層が薄い分、屈曲性についても3mmの方が有利になります。

「できるだけ厚くして迫力を出したい」というカスタムなら5mmも面白い選択肢です。

対して今回の3mm仕様は、Vibram#100の存在感を十分に残しながら、厚み・重量・屈曲性・縫製方法まで含めたバランスを取った組み合わせです。

ブラックのコバに白ステッチを効かせる

仕上げではコバをブラックにまとめ、出し縫いには白い糸を使いました。

アッパーからソールまで黒で統一しながら、ウェルト周りだけ白いステッチが一周入ります。

すべてを黒くするよりも縫い目の輪郭がはっきり見え、Vibram#100のボリュームがありながらソール周りが重たく見えすぎない仕上がりになりました。

Vibram100と3mmレザーミッドでカスタムしたレッドウィング8165
Vibram#100と3mmレザーミッドソールでカスタムした8165です。
レッドウィング8165 Vibram100カスタム後の正面
白ステッチが黒いソール周りのアクセントになっています。
レッドウィング8165 Vibram100カスタム後のかかと
独立したヒールが付き、修理前とは後ろ姿も大きく変わりました。
レッドウィング8165に取り付けたVibram100ソール底面
深いラグパターンを持つVibram#100ソールです。

クレープソールからのカスタムで変わること

今回のカスタムは、元と同じ履き心地を再現する修理ではありません。

フラットなクレープソールからVibram#100へ変更するため、靴底の厚み、重量、硬さ、ヒールの高さなどが変化します。

見た目についても、白いクレープソールの軽快な雰囲気から、黒いラグソールを使ったワークブーツらしい印象へ大きく変わります。

この変化そのものを楽しめるのが、レッドウィングのソールカスタムの面白いところでもあります。

今回の修理料金と納期

Vibram#100+3mmレザーミッドソール カスタム:25,000円+消費税
お預かり期間:約1~1.5ヶ月(繁忙期には2~3か月になる場合も)

今回は3mmレザーミッドソール、ブラックのコバ、白ステッチという仕様です。

レザーミッドソールの厚みや使用するソール、仕上げ方によって料金や納期が変わる場合があります。

厚ければ厚いほど良い、というわけではありません

Vibram#100を使ったカスタムでは、5mmのレザーミッドソールを使ってさらにボリュームを出す方法もあります。

ただし今回のように3mmを選ぶことで、十分な存在感を確保しながら、重量や屈曲性、そしてアウトソールまで縫いを通せる施工上のメリットも得られます。

ソールカスタムは、底面のデザインだけでなく、ミッドソールの厚さやコバの色、ステッチの色でも仕上がりが変わります。

RADIANでは店頭に修理サンプルもありますので、実際の厚みや仕上がりを見ながら仕様を決めることもできます。

修理事例やカスタムの様子は、Instagram・YouTubeでも発信しています。
Instagram:@radian572958
YouTube:靴修理RADIAN

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